南瓜の日
「ふふふふふ、恋人達が待ちに待ったこの日が来たよ」
ある建物の廊下で妖しく怪しく呟く人物がいた。
彼女の名は薔薇小路麗。
その召使いの峰山によると、
「ああっ麗様の御容姿は私などの分際で語れたものでは……」
はあ。
「ですがこの峰山、麗様の執事として敢えて申しますと」
うん。
「黒く長いお髪は人を殺める麗しさ、魅惑の瞳は宝玉の様」
へえ。
「そし(略)った国の大貴族と旧華族の御血を引く御家柄に」
ふわぁ。
「恥じないどころか勝るほどの美貌。またその気高(略)」
という容姿の持ち主だそうだ。
その麗は一つの扉の前で立ち止まると優雅にノック。
コントン。
それを聞き、部屋の中で銀髪眼鏡の伽藍堂那珂乃が叫ぶ。
「そのノックの音は……ば、薔薇小路!!?」
すると麗は許可も待たずに扉を開け中に駆け込んだ。
そしてそのまま那珂乃にダイブ。
「な〜か〜のぉ〜」
「うっ放せ、薔薇小路」
「恥ずかしがらないでいいんだよマイダーリン☆」
「うぐーはーなーれ、ろ……」
不意打ちをくらった那珂乃が若干負け気味。
「おや、肌がザラザラだよ」
「離れろ放せ消え失せろ」
「女神も逃げ出す僕の美肌を見習いたまえ」
「これは鳥肌だ!」
「そうか流石の君も僕の美貌に思わず感動して……」
「違う!貴様のおぞましさに……あ」
彼が悠長に抗議しようとした隙に麗が眼鏡を取る。
「ふっふっふー」
「私の眼鏡を返せ薔薇小路!」
「そんな照れ屋さんな君に僕はメロメロさ」
麗は一向に眼鏡を手放そうとしなかった。
そこで那珂乃は取り敢えず麗自身を剥がそうとする。
だがこれもやはり上手くいかない。
「ええーい!いくら女とはいえ仕方ないっ」
彼は麗の頬をぐーで殴った。
しかし。
「ああぁっ、素敵だ。素敵だよ那珂乃!」
殴られた方はさしてダメージはない。
「気色悪いっ……!」
一方殴った方は大ダメージを受けている。
「くっ……き、今日は何用で来たのだ、薔薇小路」
「ん?今日かい?今日は……」
彼女は一瞬固まる。
その隙に彼は逃げようとしたがすぐにバレて失敗。
「僕としたことが君への愛ですっかり忘れてたよ」
「………………何をだ」
「今日は何の日でしょう、マイラヴァー」
「今日は……ハロウィンか?それが?」
「て訳で、とりいぃぃっくぁんどぉとりぃぃぃぃっく!」
「ぬっイタッおい放せ………………麗!」
「下の名前で呼んでも今日は駄目だよ」
「何故だっ」
「何故なら今日は恋人達が悪戯しあう素晴らしき日!」
「か、菓子なら確か茶菓子があったはず……」
「僕の掛け声を聞いてなかったのかい?慌てん坊さん☆」
※気付いてない人は七行位上へ↑
「しっ、しまったっ?のかっ?」
「君に出会った時からこの日を楽しみにしてたんだよ」
「なは!?」
「じゃあ謎も解けた事だし……」
「……何をしている!!?」
「悪戯」
「ひゃああぁぁぁ……!!?」
約一分が経過した頃、麗は外に放り出されていた。
二人はドアノブ片手にドアを挟んで向かい合い、
「「……失敗した……」」
とハモった。
なんだかんだ言って仲が良……。
「そのとおり!」「それはない!」
とまたもや同時に言う二人だった。
「それより眼鏡いらないのかい?」
「貴様の触れた物なんかいらない!」
「わーい……ウフッフフフフ……」
「……(悪寒がする……)」
まぁ取り敢えず、はっぴーえんどってことで。
「ハッピーエンドと言えば結婚式だねっさあ準備を……」
「そんな訳あるかぁ!」
2006/10/22