青空を想うコエ
声が、降ってくる。
くるくると。
見上げた空から飛び立つように。
雲と鳥と戯れて。
綺麗な螺旋を描いて、降ってくる。
僕を目標にくるくると。
たくさんの声を引き連れ、やってくる――
季節の変わり目には、必ず此処に訪れる。
妖精さんが、僕を呼ぶから。
妖精さんは、季節を運ぶ。
はじめはひとりきりでさみしかった、そう呟いていた。
彼女の声が聞こえた僕は、ただそばにいた。
僕にはそれだけしかできないけれど、喜んでもらえるならそれでいいと思う。
暫くはそうやって、季節が流れていった。
いつのまにか、妖精さんは増えていた。
僕らはとてもたくさんになって、それでも僕はそばにいるだけ。
ふたりのときと、何も変わらずに。
彼女たちが踊る横で、それを見ている。
もうすぐ、春。
今年はどんな色を纏ってくるのだろうか。
彼女たちの話では、もたらしたい色。
もたらしたいものの色を纏って、くるのだそうだ。
春はやわらかい。
陽光と、芽吹きをモチーフとした衣装で、冬の澄んだ空に舞う。
――いや、冬の青空に「舞いたい」。そう、言っていた。
妖精さんは、薄暗い所にしかいられない。
たくさんの人に見えてはいけないから、と。
僕はいいの、と問う。
寂しかったから呼んだ、そう笑う。
だから、夜に舞う。
暗闇に彼女たちはよく映えた。
とても――とても、綺麗だと思う。
そこにだけ春が訪れたような。
夜など跳ね除けて、陽の光と生を描く。
きらきらと輝いている春が、この小さな輪に広がる。
夜に訪れた春は、朝には全体に広がっていく。
それを妖精さんの代わりに見届けるのが、もうひとつの僕の役目だ。
よろしくね。
様々な響きで、僕に届く。
彼女たちの声にも、色がついていて。
僕がはじめに出会った妖精さんは、とても白くて。
その中に、橙と緑の螺旋が見える。
そう――季節の色を受け入れる白に、僕は惹かれた。
また、夏の前に。
僕はそう手を振る。
彼女は最後まで残って、少しだけ名残惜しそうに。
僕のまわりを舞ってから、空の向こうへ消えていった。
僕は此処で春を待つ。
白みがかっていく空と、眼下に広がる町を眺めて。
始まった春が、下へ下へと広がっていく。
春が、花が、生が、広がっていく――
あとがき。
設定を多少変えてもある意味死んでる罠。
ちょっとふぁんたじっくに・・・なってない。やわらかいけど。
花は無理やりですかね。
あとはちゃんと組み込みましたが。
・・・日付は忘れた。
2007/12/26