染まっていく


今回の皆のテーマは「甘く」なのです。


白。
空白を想起させる色。
病院には暖色を使いましょう、みたいな告知があった気がするけれども。
予算がないのだろう、ただ白い壁を眺めている。
心が侵されていく。
それでもいい。
ぽっかりと出来た空間に、貴方が満たされていくから。

足音が聞こえる。
既に判別できるようになったそれに歓喜して。
笑いかける。
ちゃりん、と音を立てて硬貨を一枚、貯金箱へと入れた。
願掛けのようなもの。
いつか一杯にたまった時、治るのだと信じて。

開け放たれた扉の向こうで手をおどけたように上げる貴方。
顔には疲れが見え隠れしている。
「お疲れ様?」
苦笑しながら声を掛けると、此方にやってきて。
「ごめん寝かせておやすみ・・・」
そうして寝息を立て始める貴方。
いつもながら寝つきがいいな、と思う。

貴方の温もりと安心感に包まれると、睡魔が襲ってくる。
少しだけ、眠ろうか。
幸せをかみしめながら。



気怠さと眠気に身を任せて、漂っていた。
ただ貴方の存在を感じていたくて。

瞼に触れる熱。
「おはよう、愛しい人」
「ん・・・」
目を開けると、予想通り近くに貴方が見えた。
・・・ぼやけて見える距離は、あまり好きじゃない。
さらに近い距離は、視覚に頼らないから構わないのだけど。

喉の渇きを感じる。
「ねーのどかわいたー」
訴えてみる。
苦笑する気配を感じる。
「で、どうして欲しいのかな、僕の可愛いお姫様は」
「のませてー」
まだほとんど論理的な思考なんて働かないから、と理由をつけて。
甘えてみる。
「仕方がない子だな・・・」
言葉と共に右手が降りてくる。
素直に目を閉じて、髪を撫でられる感触を味わう。
「待ってなさい、取ってくるから」
「わかったー」

離れていく音。
満ち足りすぎて、少しの間でも一人になるとどうしても寂しい。
もう末期かな、と哂う。
それでもいい。
貴方さえいれば。
貴方さえいてくれれば。

「おまたせ」
コップが私に差し出される。
少し考え込んで手招きする。
「何?」
「ね、のませて?」
目をみつめつつ手を伸ばして唇を指でなぞって。
遠い目をされて唸られて。
「・・・何だろうそれ俺煽られてるのかな・・・」
「どう解釈してもらっても構わないけど、渇きが癒えるまで何もするなよ?」
笑って呟く。
目が覚めた気がする。
「おはよう、愛しい人。飲ませてくれないの?」
「・・・おはよう」
それだけ返してコップの中身を煽る貴方。
改めて目を閉じる。

「・・・ばか」
まだ喉渇いてるのに。
「ん、何?聞こえないよ?」
「・・・もういっかい」

結局、また貪って。



ふわふわとした気分で、横になりながら本の頁を繰る。
貴方の少々不安そうな顔が見える。
本に集中する振りをして、反応を窺う。
きっと貴方は話しかけてくれるのだろうから。

「・・・俺のこと好き?」
ほら。
そんな貴方が愛しくてたまらない。

「好きだよ」
「今読んでるそれよりも好き?」
「うん」

「今夢中になってるテレビ番組よりも?」
それはこの前した話か。
あの番組面白いんだよ、とそんなに楽しそうに語ってたのだろうか。
「うん」

「・・・じゃあ、」
「何よりも誰よりも貴方が好きだよ・・・言わせるな、んなこと」
恥ずかしいんだよ、と赤くなって顔を背ける。

離れられる筈がないというのに。
・・・いつかいなくなってしまうのじゃないかと不安なのだろう。
こんな、白に縛り付けられているから。
それ以上に貴方に捕らわれているというのに――



貴方が此処にきてくれるのならば、こんな日々も悪くない。











一部実録っぽい所も。
まあ実際もっとえげつなかったけどな(苦笑)
「トリスタよりもエコマジよりも?」「いっちゃんよりも?」「有川さんや純やんよりも?」
「愛してるよ。・・・ゲームとか古泉はともかく有川さんとか純やんに妬かれても困るんだけど?」と。
そんな感じで。ごめんちょっと惚気た。惚気る域に入っているかは別として。

ところで結局少々歪んでないか俺いつもほどではないにせよ。
あまりに母体が俺過ぎて見ていられない(笑)
多少属性付加したぐらいで変わらなかったのがなんというかうん。











2007/12/26