赤と青 4.0





長い長い飢饉があけて、新年を迎えた。
・・・もうすぐ、帰ってくる。
そんな期待を持って、今日も教会の掃除をする。



そしてまた、赤子が生まれる。

青と赤の双子という形、またそれも同じ。



「ヒコは俺がもらっていく」
やはり、彼からセイは離れていく。
・・・しかし、僕は彼に近づいた。
顔には満面の笑みさえ広がる。

「お帰りなさい、ルーベ」
同じ視線で語り合う。
「ただいま、サーフィ」
そして、二人してくすくすと笑って。
ルーベが被っている黒いローブは、案の定頭から落ち。

「サフェイセス、そんなやつと喋っては駄目だ」
「何で、僕の兄さんと喋っちゃいけないのさ?」
先程とは打って変わった声で答える。
「あなた方は、何も分かっていないんだよ。
 あなた方は、何も変わっていないんだよ。
 ・・・二十年前から、何も」

ひたすらに、言い募る。

「ヒコがいなくなるから、飢饉は起こるのに。
 彼らが神様だとまでは僕は言わないよ。
 ・・・どうして、何も悪いことをしていないのに、
 ・・・どうして、同じ人間なのに、
 ヒコだからって、差別するんだよっ!」

「・・・サーフィ、急に変われといっては駄目だ」
ルーベの、諭すような声がした。
「それはセイの、防衛機能なんだから。
 ・・・まあ俺も、少しずつ変わってほしいとは思うが」
だから、落ち着け。
そう、言われた気がした。



「俺は消えるよ。・・・ゆっくり、言葉の意味を考えるんだな」
ルーベはそう言って、僕に手を差し出す。
もう片方の手には、ヒコの子をしっかりと抱きかかえながら。
その手をしっかりと掴んで、僕はルーベと歩いていった。



・・・もう少しだけ。

少しでいいから、彼らに考える時間を。

そして、こちらを振り向くようにと。

・・・振り向かなかったら、また教えてあげよう。

そうして、いつかきっと振り向かせてみせる。










あとがき。
エピローグ完成っと。
あとは、手紙形式で3.5かな。
サフェイセスの説得の根拠話。

ちなみに。
ルビーとサファイアの色の違いは微量の成分の違いというところから。
・・・でも、赤じゃなきゃサファイアなのね。

この世界はあれから十年後なのでこいつらは二十歳ぐらいです。

2006/11/18 12:20











2007/05/06