心の支え





感情が、止まらなくて。暴走して。

・・・心が、痛い。

泣きたいのに、泣けなくて。

また、痛み出す。

どうしてかなんて、分からない。

ただ、痛いんだ。





また、泣きたいという言の葉が頭に浮かぶ。
でもそれは、どうしようもなくて。
泣きたいと思ったときは、涙が出ない。
泣きたくないときにだけ、涙が流れる。
考え始めると、頭が痛む。
こんなときにだけ・・・酷い、よ。
「・・・く・・・っ・・・」
彼女が見ている、というのに。
「どうした?」
抑えきれずに僅かに漏れた声。
それを、彼女は聞き咎める。
・・・気づかなければ、よかったのに。
でも、気づいて欲しかったのも、また事実。

「大、丈夫・・・」
右手で頭を押さえながら、声を絞り出す。
「無理するな、さっさと休め」
ぶっきらぼうだけど、これが彼女の優しさ。
・・・分かっているから、逆らえない。

「今度は何があった?」
・・・そう、聞かれるのは嫌いだ。
だから、何も答えず黙っている。
「言え」
・・・強制力を持つ言葉。
結局、それには逆らえない、と理解してるよ。
いつも、・・・それに、救われる・・・

それが癪で癪で。・・・いや、違う。
頼りすぎているような気がして。
がんじがらめに縛られているような気がして。
その空間が、心地良すぎて。
彼女が眼を向けてくれているのが嬉しくて。
・・・そんなことを考えているのに、嫌気がさす。



『・・・まだ、駄目、か。
 まだ、縋らなくちゃ歩けない、か。
 抜け出すにはどうするべきなんだか。
 とりあえず、放り投げはしないよ。
 自分自身のことだから。
 放り投げたら、そこで終わる気がする。
 ・・・さて、どういう方向に努力すればいいのか分からない。
 耳塞いでたって根本的解決にはならないよ。
 それでも、耳塞いでたいんだよね。
 ・・・彼女に、縋りたいんだよね。
 ・・・まったく、どうすればいいんだろう。
 いつまで優しさに甘えていたいんだ?
 頭では割り切るよ。・・・でも、心までは変えられない』

画面を見つめて、自分自身に向ける言葉。
確かに、色々とあったけれど。
抱え込んでいることもあるけれど。
・・・でも、少しずつ、克服して来ているだろう?
なのにまだ、依存している。
彼女から離れろ、とは言わない。
ただ、「普通」の友達であっても、大丈夫だろう?
そう理性は呟く。
・・・それでも、ひたすらに拒絶する感情。

何が、嫌なの?
問いかけても答えは出なくて。

『怒るなら怒って。心配したならそう言って。拒絶する権利はないから』
・・・と。そう言って顔を伏せる。
そんな情景が目の前に浮かんだ。
『でも・・・もうすこしだけ、このままで居させてくれるかな?
 闇夜を優しく照らし出してくれる、月のような彼女へ』
届かないのは分かっていても、画面に託したくなる。

不器用だけど賢いから平気、と言葉をくれた彼女に。
私に付き合ってくれた上に色々な教訓をくれた彼女に。
感謝の気持ちを、託したくなる。

太陽と、月のもとに。
金烏と玉兎のもとに。
生まれてきた彼女に、最大級の敬意を・・・
画面上に、託したくなる。



「言、え」
考え込みすぎてしまったのだろう、また声を掛けられた。
取り合えず返答を控えて、言いたかった事を言ってみる。
今までいえなかった勇気を乗せて。

「ね、今更だけど・・・さ」
少し言うのを躊躇ったあと、こう続けた言葉。
「頼らせてもらってて、いいかな?」
「・・・本当に、今更だな」
その一言だけ返してくれた彼女は・・・
とても、とても優しかった。




あなたは 優しい人だね と

そう 儚げに微笑んで

そんな あなたが大好きだよ と

伝えられればいいのに



ありがとう さえも届かない

とても 遠い気持ちだけど

いつか ちゃんと向きあいたい

ありがとう と伝えたいから



あなたのおかげで救われたよ って










あとがき。
あえて一人称を出さなかった主人公は私。
そして、彼女は上位者とも言える、友達。
私が尊敬している人の一人です。
・・・だから感謝は直接言えって。

ネタ帳の中の4つをぶち込んでみました。
・・・鈴と登場人物、一緒ですね・・・今更ですが。

本当はお詫びとともに捧げるんだけど、これは駄目だな。
もうちょっとどろどろしてないものを。
人が死なないものを、改めて書いて送ろうと思います。

・・・どれだけ内容凝縮してやがる・・・

2006/05/01










2006/06/18