夜空の星を見上げてみれば
夜は、好きだ。
昼のように騒々しくないから。
どこか、秘密が漂っている気がするこの空間。
旅をするには危険なところ。
だから、僕は夜空を見上げる。
星達の物語を聞かせてもらうんだ。
僕の家は、高層ビルの最上階。
屋上の管理も任されている。
この家に住むことを決めたのは、何処よりも高いから。
べつに、自分が遥か高みに居たいわけじゃない。
人間たちの世界のもっと上、星たちの世界。
そこに、何処よりも近いから。
僕は今日も屋上に寝そべっている。
空気が澄んでいるのか、星達が綺麗に見える。
それも、選んだ理由の一つなのだけれど。
そうじゃないと、物語があまり聞けなくなるだろう?
ほら、北の空の星達が、違う輝きを宿している。
これが、物語の始まり。
・・・あれは、カシオペア座、だったな・・・
カシオペア座。
五つの光からなる、いつも天上に輝く星。
その名前を冠した彼ら。
誰か一人でもいなかったら、カシオペアは成り立たないのだと。
彼らと、彼らを支えてくれた人たち・・・その、全員がいるから。
だから、カシオペアは天に煌々と輝くのだと。
あの気高い光の中に、彼らはいる。
彼ら全員が集まる機会は、もうないのだけれど。
それでも彼らは、輝いている。
未知なる道を見据えて、歩き始めている。
だから、カシオペアは永久に輝き続けるのだと。
あの気高い光を放ち、彼らは生きる。
彼らの物語、その一片を、星達は僕に聞かせてくれた。
カシオペアは、彼らの更なる物語を聞かせてくれるだろうか。
それは、彼らとカシオペア次第なのだと思う。
解っていながら、僕は願わずにはいられない。
星達の輝きは遥か高みに、遥か遠くにあるのだけれど。
その光は現在のものではないことは解っているけれど。
それでも・・・
彼らの物語の一片が、また僕の元に届くようにと。
満天の夜空を 今日もまた見上げる
星達の声が 聞きたいがために
星達は 僕に色々な物語を奏でる
星達が旅した軌跡
星達が宿した欠片
星達が集った世界
僕が聞けるのが 一片に過ぎないとしても
それが 星達の言葉だから
それが 僕達の運命だから
だから きょうもまた 夜空を見上げるんだ
あとがき。
もうすぐ閉鎖されてしまう、あのサイトに送ります。
私もずいぶんとお世話になりました。
だから題材が「カシオペア」なのですが。
・・・惑星に上げること前提に書くと、難しいですね。
個人名など、色々出せないものがあって。
2006/03/29
2006/04/09