ダウト





どうして?どうして?






悲しい声が私を呼んでいる。
私はただ成すべきことを成すばかり。






苦しいよ。どうしてそんなことをするの?






私は何故それが成すべきことなのか、わからない。
けれどそれをする以外には私に道はないと、ずっと思っている。
しなければならないから、する。いや、したいからしているのも確かだ。






嫌だよ、もう嫌だ…






情けないまでのジレンマ。したいこととしたくないことが一つに融けあって私の前に在る。
見えない鎖。義務。責任。
私を繋いで、笑っている。






ねぇ、どうして?苦しいよ、お願い。






どんなに泣き叫んでも誰にも届かないことはわかっているはずなのだ。
届いていない。なぜなら私のジレンマは解消されていないじゃないか。
多分何もかも遅すぎた。
気付くのも、願うのも、遅すぎた。






もうやめて。死にたくないよ。






私は成すべきことを成すしかないのだ。
道は狭く暗い。
重い鎖。何処へも行けやしない。
…真っ暗な中、私は欲しいもののために傷つく。あがけば私を傷つけるものを少しの間退けることは出来る。
けれど鎖の軋む音が、また私を傷つけ縛る。






助けて。苦しいよ。ねぇ。






この鎖がある限り、どんなにあがいても逃げられやしない。
私は欲しいものと、鎖と、二つに縛られて傷つきつづける。
でも仕方がないのだ。逃げられやしない。
私は成すべきことを成すしかないのだから。
自分がどうなろうとも、もう。






…死にたくない。助けて。お願い、助けて。






どうしようもないのだ。ここにいる私が私なのだから。(本当に?)
私が繋がれていればいい。
欲しいものはここにある。
それだけのこと。






お願いだから、殺さないで。






この鎖がある(本当に?)限り私は逃げられない。分かりきっている。
私が欲しいものはここにしかない(本当に?)し、それを得る為には傷つくことが必要だから。(本当に?)






誰か(本当に?)助けて。






私には耐えきれる。(本当に?)
そうでなければ、私にはこの道しかない(本当に?)のだから、壊れてしまうしか。


(本当に?)


(本当に?)


(本当に?)


(本当に?)


(本当に?)


(本当に?)


(全てまやかしなのに、全て幻だというのに)

(一体何に縛られていると言うの?)

(この世の全てに確証などないというのに?)

(一体何を信じこんでいるんだい?)

(ねえ、)


(本当に?)


(本当に?)


(本当に?)










2007/08/26